個人再生とは?

個人再生とは?

債務整理をしたいけれど資産を没収されるのは嫌なんです…

このように考えている人は案外多いものです。

「債務整理=資産」を取り上げらえるというイメージは強いですが、必ずしも取り上げられるとは限りません。

例えば、個人再生であれば、資産を没収されることなく借金の減額が可能となっています。

個人再生にはどういったメリット・デメリットがあり、申請にはどういったことが必要となるのでしょうか。

ここでは、個人再生についてお話します。

 

借金の減額ができる個人再生

個人再生は債務整理の一つであり、「借金の減額ができる」債務整理となっています。

減額される割合は借金の金額や自身の収入などによって変わりますが、一般的には20%~90%ほど減額されます。

借金が減額されるものの完全には消えないため、借金のカタとして自分の資産が没収されることはありません。

そのため、自分の資産を守りつつ借金を減らす目的で利用されることがあります。

 

2種類ある個人再生

個人再生は債務整理の1つですが、その中には2種類の個人再生が存在しています。

個人再生の種類

  1. 小規模個人再生
  2. 給与所得者等個人再生

それぞれをご説明していきますね。

小規模個人再生

1つ目が「小規模個人再生」で、個人事業者を対象にした個人再生です。

個人事業者が利用することを想定していますが、「借金総額が5000万円以上ある(住宅ローンを除く)」と「将来的に継続的かつ反復的に収入を得られる見込みがある」がある場合はサラリーマンなど個人事業者以外でも利用できます。

小規模個人再生における借金の減少額は、最低弁済基準額(最低限減らすべき借金額)と、生産価値(自己破産して債務者の資産を売却して配分したときに発生する金額)を比較して大きいほうが、個人再生で返済していく金額になります。

さらに、小規模個人再生は実施するためには債権者の半数以上の賛成を得ないといけません。

賛成が得られない場合は自己破産などのほかの手段をとることになります。

給与所得者等個人再生

2つ目は「給与所得者等個人再生」です。

小規模個人再生が個人事業者を想定しているのに対して、給与所得者等個人再生はサラリーマンなど給与所得を得ている人が対象となっています。

返済額を決めるときは基本的に小規模個人再生と同じですが、給与所得者等個人再生ではもう一つの項目も加味されます。

それが可処分所得です。

可処分所得は月々の給料から家賃や食費、社会保障費などの生活費を除いた金額の2年分の額を示しています。

可処分所得と最低弁済基準額、生産価値最を比較して、大きい金額であったものが個人再生で返済していく金額となります。

安定して収入を得ている人が想定されていることから、小規模個人再生のように債権者の合意は必要ありません。

 

個人再生の大まかな流れ

大まかですが個人再生をするときの流れについてみていきましょう。

裁判所への申立て

最初に行うのは裁判所への申立てです。

債務者の所在地を管轄している地方裁判所に対して個人再生する旨の申立を行います。

個人再生委員決定

次に行うのは個人再生委員決定です。

個人再生をするときは債務者の財産や収入、借金の状況を調査したり、再生計画の立案者を任命したりしなければいけません。

また個人再生委員を任命すると財政計画は認められるまでの期間は、報酬が発生することにも気をつけてください。

再生手続きの開始

個人再生委員が決定されたら、再生手続きの開始です。

個人再生委員が裁判所へ再生手続きを行って開始となります。

再生計画の立案と提出

個人再生の手続きが開始されたら今度は再生計画の立案と提出です。

調べていた財産や収入や借金状況だけでなく、債務者との面談も法なり合理的な再生計画はを作成していきます。

再生計画は慎重に作る必要があるため、通常は2ヶ月から3ヶ月ぐらいはかかりますので気をつけてください。

認可決定を待つ

再生計画が提出できたら今度は認可決定を待ちます。

無理のない再生計画案であれば大抵は認可されるので、ここはそれほど気にする必要はないかもしれません。

返済

再生計画案が認められたらいよいよ返済に取り掛かります。

返済期間は借金の金額によって変わりますか、基本的には3年で完済されるように返済をしていきます。

 

個人再生で返済できなくなった場合

個人再生では借金を減額した上で返済していくことになりますが、新型コロナウイルスの流行によって経済が大きなダメージを受けた時など、予期せぬ出来事によって支払いができなくなることもあります。

そうした返済に支障が出た場合、どうなるのでしょうか。

返済出来なくなった事情を分けてそれぞれ考える必要があります。

それぞれの事情

  • 本人の怠慢
  • やむを得ない事情

本人の怠慢

まずは、本人の怠慢によって返済が滞ってしまったケースです。

この場合はほぼ債務者が悪いことになるため、ペナルティーを受けることは避けられません。

具体的には債権者からの申し立てが行われ、個人再生で時に作った計画そのものが取り消されることになります。

計画が潰れることは個人再生そのものがなくなることと同義であるため、個人再生によって減額していた借金が元通りになり、取り立てもまた再開されます。

そうなるとまた再返済計画を考え直さなければいけません。

返済状況次第ですが任意整理など他の債務整理を選ぶこともあるでしょう。

やむを得ない事情

今度は「やむを得ない事情によって返済できない」ケースです。

本人の怠慢によって返済できなかった場合は個人再生が取り消されますが、やむを得ない事情によって返済できなくなった場合は個人再生が取り消されることはありません。

この場合、収入が安定するまでは返済計画を延長するような再生計画の変更が申し立てられます。

やむを得ないときは猶予を与えられますが、猶予期間の上限は2年って決まっていますので気をつけてください。

また、すでに3/4以上の返済が終わっている場合は残りの借金の免責を裁判所に申し立てられます。

借金の免責が認められると借金そのものがなくなり、以降の返済が不要となります。

借金の面積は個人再生で認められている権利であることから、利用しても自己破産のように自分の資産が没収されることはありません。

 

個人再生のメリット

職業の制限がない

どんな職業をついていたとしても個人再生をするにあたり問題は発生しません。

実は債務整理のうち、自己破産はついている職業によってはできないことがあります。

弁護士などの士業や警備員などが自己破産できない職業として挙げられます。

ですが個人再生は、職業による制限がないため、弁護士などの方でも利用することが可能です。

(債務者の代理人として個人再生を行う弁護士が、個人再生をするのも変な話かもしれませんが。)

そうした仕事についている方にとっては個人再生とは、借金が減額できる唯一の方法といってよいかもしれません。

 

個人再生のデメリット

安定した収入が求められる

個人再生を利用するには安定した収入が止められることには気をつけてください。

個人再生は借金を減額できますが、ゼロにすることはできません。

個人再生を適用した後は弁護士と共に作成した返済計画に合わせて返済を続けて行くことになります。

毎月返済して行くには安定した収入が欠かせません。

そのため、継続して収入を得られる見込みがない限りは個人再生が利用できないようになっています。

ここで重要なのが「安定した収入があるかどうか」です。

今月のお金が入って来月も同じぐらいのお金が入る状態であればよく、金額が多いか少ないかは関係ありません。

会社員はもちろんのことアルバイトや年金で生活している人など、たとえ収入が低い人であっても、安定してお金が得られるのであれば個人再生は利用できます。

収入が低い人ほど返済が苦しくなる、といったことはありませんので安心してください。

収入が低ければ圧縮される金額が増えたり月々に返済額が少なくなったりと、現在の収入に応じた対応が取られるようになります。

ブラックリストに事故情報が登録される

個人再生後債務整理の一つであるため、実行するとブラックリストに事故情報が登録されますので気をつけてください。

事故情報が登録されると住宅ローンが組めなくなるなどの借金に関することで制約が発生します。

また現在住宅ローンを抱えている方が個人再生を受けた場合も変化が発生しますので、気をつけてください。

月々の返済に住宅ローンだけでなく個人再生で残った借金も加わるためです。

返済対象が二つになると両方に十分なお金を割り当てられなくなることもあります。

そうした場合は住宅ローンの返済計画を見直し月々の返済額を減らすなどの対応が行われます。

「月々の返済負担が少なくなるのはラッキーだ」と思えるかもしれませんが、一概に良い事とも言えませんので気をつけてください。

住宅ローン側は何もしていないため、返済総額は変わらないことから、月々の返済額が減ると完済までの期間が長くなります。

住宅ローンにも利息が発生しますので返済期間が長くなると、総合的な返済額も増えることは理解しておいてください。

ブラックリストに登録された事故情報は基本的に5年から7年は登録されたままになります。

その間は生活に一部支障をきたすようになりますが、解除されれば以降は通常通り生活ができます。

 

まとめ

個人再生を利用すると借金そのものが減額されます。

それでも借金がある程度残るため、残りの借金を返済するのにあたり返済計画を立てることとなります。

「どういう返済計画を立てたらいいのかわからない」と思う方もいるでしょう。

返済計画は、基本的に債務整理を何度も経験してきた専門家やプロなどにお願いすることになるので、あまり心配する必要はないかと思います。

返済計画を立てるときは担当の方と面談することもありますので、借金の状況だけでなく、現在抱えている不安なども遠慮なく伝えることをオススメします!

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